白内障手術の合併症に加え、多焦点眼内レンズを使用した手術には下記のような合併症が考えられます。
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後嚢破損チン氏帯断裂
水晶体やその周囲の組織が脆弱であったり断裂していたりすること。目への負担を考えて、初回手術では眼内レンズの挿入を断念することがあります。 この場合、後日改めて眼内レンズを縫い付けるような追加手術を行うことで対処します。
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レンズ度数の誤差
コンピュータで計算して患者さんに最も合ったレンズを挿入しますが、誤差無く合わせることは不可能で、多少の誤差は生じます。殆どは問題なくメガネの調整で対処可能です。
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術後眼内炎
手術中または手術後に傷口から細菌が入り込んで、眼球内が化膿する場合があります。視力がかなり低下することもあります。早期治療が重要です。
手術後の合併症―グレア・ハロー
多焦点眼内レンズは、構造上、暗いところ(夜間)で強い光源を見た場合に、通常の眼内レンズに比べてグレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)や ハロー(光の周辺に輪がかかってみえること)が起きやすくなります。
夜間の見え方のイメージは左の写真のような感じです。
以前の遠近両用の眼内レンズに比べると問題点はかなり改善されていますし、手術後の時間の経過とともに徐々に症状は改善していき、またそれと同時にだんだん慣れてきて気にならなくなることも多いと言われています。