緑内障には症状の進行度などによって大きく3つの治療法・手術の種類があります。状態を見極め、適切な治療を選択する必要があります。
投薬(点眼)による治療
緑内障の治療は最初は点眼薬にて行います。1種類から始まり、視野障害が進行するようであれば2種類、3種類と増やしていきます。
4種類を超えると効果が弱く、基本的には3種類でも進行が止まらない場合はレーザー治療か手術を検討します。
多くの患者さんが点眼薬のみで問題なく過ごせていますので、ひとまずはご安心下さい。
レーザー処置による治療
SSLTと呼ばれる治療法で、「線維柱帯」と呼ばれる目の中の房水が出て行く組織を処置し、網目状になっている線維柱帯にからまった色素細胞を除去します。
分かりやすく表現すると、線維柱帯を掃除して房水の流れを良くするといったイメージです。
手術よる治療
レーザーとは別の方法で房水の流出経路を作る手術です。術後、まれに多少の視力低下が起きる場合がありますが、眼圧低下にはとても適した治療です。
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トラベクロトミー(繊維柱帯切開術)
線維柱帯を切開し、房水の流出を良くする方法です。
メリットは術後の感染が起こりにくいことで、これは大変な利点です。
デメリットは眼圧の低下の数値は10の中盤~後半程度で、長期的にみると効果は得られないケースが多いことですが、再手術やトラベクレクトミーに変更するといった対処が可能なので、点眼薬でも眼圧数値が20代であれば、この手術を選択するドクターも多くいます。 -
トラベクレクトミー(繊維柱帯切除術)
目の外から穴を開け、房水を継続的に外に流出させることで眼圧を下げる手法です。成功すれば眼圧が8~10に下がるというメリットがありますが、目の外と内部が交わることで感染が起こりやすくなるというデメリットもあります。また、この方法も長期的にみると、眼圧が再上昇し再手術を要するケースも少なくありません。 しかし、眼圧が高い場合は勿論のこと、眼圧がさほど高くないにも関わらず視野障害が進行する場合には、この手術は、とても有効です。
感染症防止や術後の安全を確保するために、手術前後は日常生活においても以下の点に注意して下さい。
手術前の注意点
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手術の前日には感染症を防ぐためにも入浴・洗髪をきちんと行い、清潔を保って下さい。
※手術当日は入浴はできませんのでご注意下さい。 -
手術直前までは 緑内障の目薬をいつも通りに継続して下さい。
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揮発性の高い香水や整髪料などは使用を控えて下さい。
手術後の注意点
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手術後は、これまでの緑内障の目薬は一旦すべて中止となりますので注意して下さい。
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入浴は肩から下のシャワーのみにとどめ、顔も濡れタオルなどで軽く拭く程度にしてくれぐれも目の周りを刺激しないよう気を付けて下ささい。
洗顔は3日後から、通常通りの入浴は1週間後から可能です。 -
術後1週間は傷口が開きやすく、細菌が入りやすい状態ですので、目を押したりこすったりすることは止めてください。
最新の医療機器を使用して手術を行っております。
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手術顕微鏡
・カールツァイス社製 OPMI Lumera T
手術を行なう上でもっとも重要な点は“見える”という点にあります。
光学機器メーカーとして世界的に定評のあるカールツァイス社の『Lumera(ルメラ)』を使用する事でより完成度の高い手術を行なえるよう、当院では『OPMI Lumera T』を採用しております。 -
白内障・硝子体手術装置
・アルコン社製 Constellation(コンステレーション)
眼内に挿入した直径1mm程度の器具の先端から超音波を発振し、白く濁った水晶体を砕いて吸引します。
より安全に白内障手術が可能な最新の機器です。
白内障手術だけでなく、25 ゲージ(近々に27 ゲージ)極小切開での硝子体手術も可能な最新の手術機器です。